トリルが上手く弾けるコツ
トリルを上手く弾くにもコツを掴むことが大切です。
トリルの記号は「tr.」で、記号で示された元の音とその2度上の音とを繰り返し速く弾くことです。(隣り合った2つの音を交互に素早く惹く装飾音)
そもそもトリルとは、「振るわせる」という意味合いがあるんですが、ピアノは徐々に音量が小さく弱くなる楽器なので、それに逆らって一つひとつのの音を長く保つために、隣の音との度重なる交代で音量やテンション維持、もしくは増大させる方法としてトリルが考えだされました。
古典派以降のピアノの曲では、音の保持だけではなく、華やかさだったり、幻想的な雰囲気づくりのためにトリルが用いられることもあります。
ピアノを弾くうえでトリルを入れるのが苦手という人も多いと思いますが、それは指を出来るだけ速く動かすことが出来てないからトリルが難しく感じてしまうのです。
とはいえ、隣り合う指を交互に動かすのは思ったより難しく、できれば隣り合わない指、1と3、3と5の指で弾いたほうが弾きやすいものですね。
では、何故、指を速く動かすことが出来ないのか?それは大変そうだから頑張って上手に弾こうと思うと、つい手に力が入ってしまうからです。
余分な力が手に入ってしまうと、逆に手は動かなくなってしまいます。
これでは、とても速くは弾けませんよね。トリルを身につけるために大切なポイントになるのは、やはり指使い。
手のポジションを安定させて、指の付け根から垂直に打鍵することがポイント。
これを工夫して練習することです。
楽譜には「2−3」「3−4」というように指使いが示されていることが多いですが、隣合った指でトリルをやると手の甲から手首、腕にかけて力がつい入ってしまいがちになります。
その為、力が入らないために良く利用される指使いが「1−3」「1−4」とか、混合させた「1−3」「2−3」です。
交互でもいいですし、ランダムに混合させても構いません。
これらは手全体を使うようになるので、手の甲などの一か所に余分な緊張をさせて力を入れさせないですみ、手首を柔軟に保つことが出来ます。
更に難しいのは「4−5」。これは何とかして避けたいですよね。
この場合は、「3−5」「4−5」の混合など、色々試してみて、自分にとって楽な指使いを探してみると良いでしょう。
それでも、余分な力が入って上手くトリルが出来ないようなら、脱力がそれほど難しくないピアニシモで弾くことから始めてみると良いかもしれません。
この時には、指先から手首まで手全体をリラックスさせて弾くようにしてください。
弱い音でスムーズに弾けたら、手から余分な力が抜けているということなので、その状態を体に覚えさせましょう。
そして、同じ状態で徐々に音を強くしていきます。
このような練習をしていけば、次第に力を抜くことに慣れ、強い音のトリルでもリラックスして弾けるようになれるかと思います。
いずれにしても、指先を速く動かしても、手の甲や手首に過剰な力を入れないことが大切で、2音が均等に滑らかに弾けるように、手のポジションを安定させて弾く適切な練習をしてこのトリルが上手く弾けるコツを掴んでください。
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